お子さまの歯を守るために
お子さまの歯、特に「乳歯」は、永久歯に比べてエナメル質が薄くやわらかいため、むし歯が非常に早く進行してしまう傾向にあります。
「どうせ生え替わるから」と乳歯のむし歯を放っておくと、痛みや噛みにくさから正しい咀嚼（そしゃく）が困難になり、発音にも悪影響を及ぼすことがわかっています。さらに、顎の正常な発育や永久歯の生えるスペースにまで影響を与え、歯並びや全身の健康にもリスクを及ぼしかねません。
当クリニックでは、お子さまの健全な発育と、大切な永久歯をむし歯から守ることを目指し、治療だけでなく予防に重点を置いています。
フッ素塗布や奥歯の溝を埋めるシーラントといった効果的な予防処置に加え、近年注目されている、口腔機能訓練（お口周りの筋肉や舌の正しい使い方を学ぶトレーニング）にも積極的に取り組み、お子さまお一人おひとりの成長段階に合わせたサポートを行います。
年齢別の主な対応
0～3歳（乳歯が生え終わるまで）
むし歯に負けない強い歯をつくるために、予防処置としてフッ素塗布を開始します。 離乳食が始まるとむし歯リスクが高まるため、赤ちゃん用歯ブラシなどで丁寧に磨いてあげましょう。糖分（ジュースや甘いお菓子）の摂り過ぎに注意しましょう。
3～6歳（小学校入学くらいまで）
3歳くらいからは食べるおやつの種類も増え、さらにむし歯リスクが高まります。 定期的なフッ素塗布とともに、おやつの時間を決めることも大切です。だらだらと食べて口内に糖分が残ることを防ぎましょう。 1日2回以上のブラッシングの習慣をつけ、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげましょう。
6～12歳（永久歯へ生え変わるまで）
小学校に上がるくらいには、永久歯が生えてきます。定期的なフッ素塗布に加えて、シーラントと呼ばれるむし歯予防効果がある詰め物が推奨されてており、必要に応じて行います。 むし歯になった場合は、なるべく削らず、しっかりケアしながら経過観察をし、進行したら大人と同様の治療を早目に行います。 歯並びも確認しながら、必要であれば矯正治療をご提案します。
口腔機能訓練について
当クリニックの小児歯科では、乳幼児期からの「口腔機能」のトレーニングにも積極的に取り組んでいます。 お子さまの口腔機能は、食事や会話はもちろん、成長や健康にも大きな影響を与える重要なものです。その発達をサポートし、健康的な食生活・はっきりとした発音や発声・正しい顔や顎のバランスなどへ導きます。 保護者の方への食事指導とともに、次のようなトレーニングに取り組んでいただきます。
- 呼吸訓練
- 舌の訓練
- 口唇の訓練
- 嚥下の訓練
妊娠中の方へ～妊婦健診（マタニティ治療）について～
当クリニックでは、自治体や職場の補助で受けられる「妊婦歯科健診」をはじめ、妊娠中の口腔ケアと必要な治療をサポートするマタニティ治療を行っております。 妊娠中は、ホルモンバランスの変化やつわりによるブラッシング不足、食習慣の変化などにより、むし歯や歯周病（特に妊娠性歯肉炎）のリスクが格段に高まります。特に歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高めることが指摘されており、お母さまだけでなく、お腹の赤ちゃんのためにも、妊娠中の適切なケアが非常に重要です。
治療に適切な時期
妊娠初期（〜4カ月頃）は、つわりなどで体調が不安定な上、流産のリスクも高いため、応急処置を除き積極的な治療は控えます。
歯科治療に最も適しているのは、つわりがおさまり体調が安定する妊娠中期（安定期、5カ月〜8カ月頃）です。この時期に歯科健診を受け、必要な治療（むし歯治療や歯石除去など）を済ませておくことを強く推奨いたします。妊娠後期に入ると、治療中に仰向けになる体勢がお腹を圧迫するなど母体への負担が増すため、できるだけ避けたいからです。
当クリニックでの配慮
当クリニックでは、妊娠中の方には必ず母子手帳を確認し、安定期であっても体調を最優先に診療を進めます。レントゲン撮影が必要な場合は、防護エプロンを着用し、麻酔についても、赤ちゃんへの影響が少ない局所麻酔を最小限の使用に留めますのでご安心ください。
「歯が痛い」「歯茎から出血する」など、気になることがありましたら、まずは現在の妊娠週数と体調をお知らせの上、お気軽にご相談ください。出産後に治療を持ち越すことのないよう、しっかりとサポートさせていただきます。