インプラント治療とは

インプラント治療とは、むし歯や歯周病、外傷などで失ってしまった歯の代わりに、顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上部に人工の歯冠を装着することで、歯の機能と見た目を取り戻す治療法です。 インプラント体が顎の骨としっかりと結合するため、まるで天然の歯の根のように機能し、入れ歯やブリッジでは決して得られない、「ご自身の歯で噛んでいるような感覚」を取り戻すことができます。
メリット
- 自分の歯のようにしっかりと噛める
- 食事のときの違和感がない
- 天然の歯のような自然な見た目
- 1本のみでも治療が受けられる
- 適切なケアと定期的なメインテナンスによって長期間使用できる
デメリット
- 入れ歯やブリッジに比べて治療期間が長い
- 外科手術が必要
- 適応できないケースもある
- 費用がかかる
通院期間・治療回数
| 回数 | 3~8回程度 |
|---|---|
| 期間 | 3カ月~8カ月程度 |
インプラント治療の流れ
Step 01
カウンセリング
まずはお悩みをお伺いし、インプラントに検査・治療内容・費用などについて丁寧にご説明します。
Step 02
精密検査・治療計画
歯科用CTや口腔内スキャナーを用いて、口内や骨の状態を詳しく確認します。そのうえで、インプラントの可否の診断や、治療計画の立案などを行います。
Step 03
初期治療
初期治療 手術の安全性を高めるため、手術の前にむし歯・歯周病などの口腔疾患を治療し、口腔内の環境を整えます。
Step 04
ガイデッドサージェリーの作製
ガイデッドサージェリーの作製 ガイデッドサージェリーは、顎の骨に正しく安全にインプラント体を埋め込むための技術です。CTデータに基づき、予め手術時に使用するマウスピース型の装置(サージカルガイド)を作製します。
Step 05
インプラント埋入手術(一次オペ)
局所麻酔下で、顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込みます。1時間~2時間程度で終了しますが、難易度により時間は変動します。
当日は安静に過ごしていただきます。
人工歯根と骨が結合するまでに数カ月かかります(患者さまによって個人差があります)。
Step 06
二次手術(二次オペ)
一次オペで埋入したインプラント体が骨と完全に結合した後、再び歯茎を切開し、インプラント体の上部にアバットメント(人工歯を連結するための部品)を取り付けるためのヒーリングキャップ(またはヒーリングアバットメント)を装着します。これにより、歯茎の形を整えます。
Step 07
上部構造(人工歯冠)の型取り・装着
歯茎が整った後、アバットメントの上から最終的な人工歯(上部構造)の型取りを行います。完成した人工歯を装着し、噛み合わせの調整を行って、これですべての治療工程が終了となります。
Step 08
メインテナンス
インプラントを長く快適に使うためには、天然歯と同様の丁寧なブラッシングや、クリニックでの定期健診が不可欠です。
しっかりメインテナンスに取り組んでいきましょう。
当クリニックのインプラントの特徴
事前の精細なシミュレーション
最初にCT検査を行い、その後に口腔内スキャナーでお口をスキャンし、双方のデータを合わせて患者さまの骨の状態や顎の神経の位置などを多角的に把握します。
そのうえで、ただ骨の場所に合わせてインプラント治療を行うのではなく、人工歯冠を取り付けた際の噛み合わせを想定・逆算し、適切な位置に入れるための精細なシミュレーションを行います。
ガイデッドサージェリーの導入
ガイデッドサージェリーとは、術前に計画した通りの正確な位置・角度・深さで顎骨にインプラント体を埋入するための技術です。
具体的には、歯科用CTで得られた患者さまの顎骨の三次元データと、口腔内スキャナーのデータをもとに、コンピューター上でインプラントの理想的な埋入シミュレーションを行います。そのシミュレーション結果を反映させ、手術時に使用するマウスピース型のカスタムメイドの器具(サージカルガイド)を作製します。
手術では、歯科医師がこのサージカルガイドをお口に装着することで、ドリルが計画された軌道からずれることなく誘導され、インプラントを極めて高精度に埋入することができます。
この技術を用いることで、手術時間の短縮、切開を最小限に抑える低侵襲化(フラップレス手術)が可能になり、結果としてより安全で高精度なインプラント手術が行えます。
「骨が足りない」という場合も対応~歯周再生療法~
歯の欠損状況や歯周病の影響などで「骨が足りない」という状態の方でも、新しい技術を用いることでインプラント治療が可能になることがあります。
GBR(骨誘導再生法:Guided Bone Regeneration)
骨が不足している部分に、自家骨(ご自身の骨)や人工骨を移植し、その上から特殊な膜(メンブレン)で覆います。この膜が、骨の再生を妨げる軟組織(歯肉など)が骨移植材に入り込むのを防ぎ、骨がしっかりと再生するスペースを確保します。骨が再生した後、インプラントを埋入します。
メリット
- 骨の厚みや高さが不足している部分に新たな骨の再生を促すことができる。
- インプラントをしっかり支えるための骨量を確保でき、長期的な安定性が高まる。
- 自家骨や人工骨など、患者さまの状態に合わせた材料を選択できる。
デメリット
- 骨が再生するまでに一定の治癒期間が必要です。
- 手術範囲が広がるため、腫れや痛みが出やすい傾向がある。
- 症例によっては再生量が限られる場合がある。
| 治療回数 | 2〜4回程度 ※経過を確認し、その後にインプラント治療へ進む |
|---|---|
| 通院期間 | 4~6カ月程度 |
ソケットリフト
主に上顎の奥歯(上顎洞の底)の骨の高さがわずかに不足している場合に行います。インプラントを埋入する穴から骨の補填材を注入し、上顎洞底の粘膜(シュナイダー膜)を押し上げながら骨を増強させる方法です。インプラント埋入と同時に行うことが可能です。
メリット
- 上顎の骨がやや薄い場合でも、インプラント埋入と同時に骨の増生が可能。
- 比較的侵襲が少なく、身体への負担を抑えられる。
- 手術時間が短く、回復も早い傾向がある。
デメリット
- 骨の高さが極端に不足している場合には適用ができない。
- 上顎洞膜を傷つけるリスクがわずかにある。
- 骨の増生量に限界があるため、大きな骨造成には不向き。
| 治療回数 | 1回 |
|---|---|
| 通院期間 | 2〜3週間程度 |
サイナスリフト
上顎の奥歯の骨の高さが大きく不足している場合に行います。歯肉の側面を切開し、上顎の側面から骨を削って上顎洞の粘膜を持ち上げ、その空間に大量の骨補填材を移植します。骨が大きく再生してからインプラントを埋入する、単独の外科手術です。
メリット
- 骨の高さが大きく不足している場合でも、十分な骨量を確保できる。
- インプラントの長期的な安定性を高めることが可能。
- 広範囲の骨造成にも対応できる。
デメリット
- 手術の難易度が高く、腫れや痛みが出やすい傾向がある。
- 上顎洞膜への配慮が必要で、手術時間が長め。
- 感染や上顎洞炎のリスクがわずかにある。
| 治療回数 | 2〜3回程度 |
|---|---|
| 通院期間 | 2週間~6カ月程度 |
各種費用について
| 検査・診断料 | 55,000円 |
|---|---|
| オペ管理料 | 110,000円 |
| 一次オペ | 165,000円 |
| 二次オペ | 55,000円 |
| アバットメントクラウン | 198,000円 |
| GBR | 大:110,000円 小:55,000円 |
| ソケットリフト | 55,000円 |
| サイナスリフト | 330,000円 |
※費用は全て税込
